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24.7.20 アジアにおける食品輸入規制
24.07.20アジアの国々における食品輸入規制は、各国の政策や安全基準により大きく異なり、特に2011年に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故の影響を受け、多くの国が日本産食品に対する規制を強化してきました。しかし、近年では規制が緩和される傾向にあり、日本産食品の輸出が再び活発化しています。
現在(2024.7)では欧州や北米・南米において規制が解除されている一方、アジアでは規制が厳しい状況にあります。
本記事では、今なお規制が続くアジア諸国の輸入規制の現状とアジア市場に参入を検討する企業に向けたアドバイスをご紹介いたします。<現在も規制が残っている国>
韓国
韓国は令和4年1月6日に山形県のきのこ類を輸入停止措置の対象に追加するなど、引き続き厳しい規制を維持しています。これまでにも、複数回にわたって規制強化が行われてきました。
中国
中国は、2023年8月24日にALPS処理水の海洋放出を受け、日本産水産物の輸入を全面停止しました。しかし、2018年11月28日には新潟県産米の輸入停止が解除されるなど、一部の規制緩和も見られます。禁止対象都県以外の穀物、加工食品、飲料、飼料などの輸出は可能です。また、野菜、果実、茶葉、乳製品などの輸出に必要な放射性物質の検査証明書については、引き続き協議中です。
香港
香港政府は、2023年8月24日にALPS処理水の海洋放出を受け、10都県の水産物、海塩、海藻の輸入を停止しました。2021年1月1日からは、5県(福島、茨城、栃木、群馬、千葉)を除く全ての食品について全ロット検査から通常検査に移行しています。また、5県産の野菜、果物、牛乳など一部食品も通常検査に移行しました。
マカオ
マカオ政府も、2023年8月24日にALPS処理水の海洋放出を受け、10都県の生鮮食品、動物性食品、海塩、海藻の輸入を停止しました。
台湾
台湾では、2015年5月15日以降、5県(福島、茨城、栃木、群馬、千葉)以外の42都道府県の食品に対して産地証明書の添付が義務化されています。また、一部の産品については放射性物質検査報告書の添付が義務化されました。2022年2月21日以降は、5県の産品について、きのこ類や野生鳥獣肉を除き、放射性物質検査報告書と産地証明書の添付を条件に輸入停止が解除されました。多くの食品については、必要な証明書があれば輸入が可能です。アジア市場への参入を検討する企業へのアドバイス5選
1.最新情報の収集
各国の規制は頻繁に変更されるため、最新の情報を常に収集し、輸出計画に反映させることが重要です。特に政府の発表や関連機関のウェブサイトを定期的にチェックしましょう。
2.現地パートナーの活用
現地の輸入業者や商社とのパートナーシップを構築することで、最新の規制情報や市場動向を把握しやすくなります。また、現地の消費者ニーズに応じた商品展開も可能になります。
3.品質管理の徹底
放射性物質検査など、安全性に関する品質管理を徹底することが求められます。信頼性の高い検査機関と連携し、適切な証明書を取得しましょう。
4.市場調査とマーケティング戦略
各国の市場特性を理解し、消費者ニーズに合ったマーケティング戦略を策定することが重要です。特に、日本産食品の安全性や品質を強調するプロモーションが効果的です。
5.柔軟な対応力
規制の変更に迅速に対応できる体制を整えることが必要です。輸出品目や出荷計画を柔軟に見直し、必要に応じて新しい市場への参入を検討しましょう。結論
アジア各国における食品輸入規制は、多くの変遷を経てきました。近年では規制が緩和される傾向にあり、日本産食品の輸出が再び活発化しています。アジア市場に参入を検討する企業は、最新の規制情報を収集し、現地パートナーと連携しながら、品質管理を徹底することで、成功への道を切り開くことができます。
食品を取り扱う企業様は国内で生産・加工・販売を一貫して行う場合が多く、海外の規制等の情報収集や販路拡大のためのリソースが足りないケースが多く見受けられます。
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