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24.1.15 【事例から学ぶ】海外進出成功のポイント〜スターバックス〜
24.01.15「スターバックスはもともと世界中で展開しているグローバル企業であり、知名度があるから日本でも成功した」そう考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、日本に進出した海外飲食チェーンが必ずしも成功しているとは限らず、経営が難航したり撤退を余儀なくされた企業も多くあります。
今回は何故スターバックスが日本で成功したのかについて説明していきます。喫茶店文化を変える新しいコーヒー文化
スターバックスが上陸した1996年当時、日本のコーヒー文化は喫茶店で飲むドリップコーヒーが主流でした。当時の喫茶店は、サラリーマンがコーヒーとタバコでひと息つくような、男性に利用される場所でした。1962年には国内初のセルフ式カフェ「ドトール」が誕生し、喫茶店より手頃な1杯150円(当時)の価格設定が多くのサラリーマンらに支持されるようになってきていきました。
スターバックスはどうでしょうか。同じくセルフ式カフェであった一方、香りが楽しめるよう全面禁煙で、高品質なコーヒーの他、抽出したてのエスプレッソを使用した「スターバックス ラテ」や「カフェ モカ」、「キャラメル マキアート」などの新たなビバレッジやカスタマイズサービスを1杯300円等(当時)の高価格帯で提供したのです。コーヒーの世界を広げる新しいスタイルは女性を中心に、徐々に人々の生活に浸透していきます。徹底したブランディング
スターバックスが日本においてここまで拡大できたのは、美味しいコーヒーや新たなビバレッジがあるからだけではありません。徹底したブランディングを貫いているからと言えます。「スターバックスエクスペリエンス」と言われる、「店舗で1杯のコーヒーを楽しむ上質な体験」の提供に注力してきたのです。
– 全面禁煙(香りを楽しむ)
– 居心地の良い空間(快適なシート、音楽、書籍、無料Wi-Fiなど、長時間滞在ができる環境)
– マニュアルのない接客
– 限定商品と季節のアイテム など
このこだわりが、当時の日本のコーヒー文化である「喫煙しながらコーヒーを飲む男性向けの場所」というイメージから「本格的なコーヒーをゆったりと素敵な空間で女性も楽しめる場所」に変え、スターバックスの唯一無二の存在感を示したのです。ブランディングは市場文化を変える強力な手段
ブランディングは市場文化を変える強力な手段です。ブランディングは消費者に新しい価値観をもたらし、市場に新たなトレンドや期待を生み出す力を持ちます。
スターバックスが上陸したことで、日本の「コーヒー1杯」に対しての求めるものや金銭感覚が変わったと言えます。市場文化の変革においてブランディングは不可欠な要素と言えます。
現在ではコンビニで100円で美味しいコーヒーが手に入る時代になりましたが、スターバックスの顧客が離れることはありません。なぜなら「コーヒー1杯」に関して全く異なる価値を提供してきたことが明白だからです。ブランドが確立されていれば価格競争に巻き込まれることもないのです。成功したブランディングは、このように市場での競争優位性を築く役割を果たしていくのです。
まとめ
いかがでしたか。スターバックスは徹底したブランディングで日本に上陸したことによって、日本の市場文化を動かしたのです。圧倒的な差別化は今までなかった価値観や文化を作り出すことが可能であるとスターバックスが証明したと言えるでしょう。日本から文化の異なる海外に進出する際にもブランディングは有効な戦略と言えるでしょう。