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26.2.9 外資100%でも可能!マレーシアでの現地拠点設立ステップ
26.02.09ASEAN諸国の中でも、安定した経済環境と高い英語普及率を誇るマレーシア。首都クアラルンプールを中心に、製造・IT・サービス業の進出が進んでいます。日本企業にとっては、東南アジア市場へのハブとしての位置づけや、比較的外資規制の少なさが魅力です。
今回は、中小企業がITサービスやリサイクル品販売といった業種でマレーシアに拠点を構える際の具体的な法人形態や設立要件、そのメリット・デメリットについて整理します。記事後半では、「支店」や「駐在員事務所」といった選択肢との比較も行い、自社に適した形を見極めるヒントをご紹介します。

法人形態①:現地法人(100%外資企業)― 最も柔軟で独立性の高い選択
マレーシアで最も多く選ばれるのが「Sdn. Bhd.(非公開有限会社)」としての現地法人設立です。原則として、ITサービスやリサイクル品販売業は外資規制の対象外であるため、ブミプトラ(マレー系民族)との合弁義務もなく、外資100%での設立が可能です。
主な要件:
最低資本金:業種によって異なる(例:コンサル業RM50万、小売・飲食RM100万)
常駐マレーシア人取締役1名以上
ライセンス保持の「会社秘書役」の任命
登記先:マレーシア企業委員会(SSM)
メリット:
100%出資が可能なため、意思決定が迅速
独立法人として、契約・財務・税務上の自立が可能
規模拡大・雇用創出にも対応しやすい
注意点:
業種によっては最低資本金が高額になる
設立手続きや管理義務(会計・秘書役)には専門知識が必要
特にITや再生資源の輸出入・販売については、他国と比べて比較的スムーズに設立できる環境です。
法人形態②:支店(Branch)― 本社と一体化した事業拠点
支店は親会社の延長線として設置される法人形態です。マレーシア法上は別法人として認められず、すべての債務責任は日本本社が負うことになります。
主な特徴:
本社の事業範囲内でのみ活動可能(新規業種は不可)
登録の際、本社の設立証明書・定款・財務諸表の提出が必要
資本金の払込義務はないが、運営資金の証明が求められる
メリット:
資本金要件がなく、設立コストが抑えられる
マレーシアでのテストマーケティングに適している
注意点:
小売業などでは支店設立が事実上困難(規制強化傾向)
法的責任を親会社が全面的に負うため、リスクも共有される
卸売や製造に近い業務では選択肢に入るものの、小売や独自ブランドの開発には不向きといえます。

法人形態③:駐在員事務所(Representative Office)― 収益活動を行わない調査拠点
まだ本格的なビジネス展開には至っていないが、「マレーシア市場をリサーチしたい」「現地とのネットワークを形成したい」という企業に最適なのが、非営利の駐在員事務所です。
主な特徴:
営利活動は禁止(契約・請求・販売不可)
情報収集・調査・本社との連絡業務が中心
マレーシア投資開発庁(MIDA)への登録が必要
メリット:
現地での営業リスクがない
市場参入前の予備調査が可能
初期コストが低く、柔軟に撤退可能
注意点:
運営費(年間30万リンギ以上)の送金証明が必要
活動が制限されるため、営業的な効果は限定的
営業活動を代理人や現地スタッフに委託することも認められていないため、「市場を知る」以上の活動はできません。
まとめ
マレーシアでは、業種によっては外資100%での法人設立が可能であり、特にITやリサイクルビジネスは進出障壁が比較的低い分野です。市場に本格参入したい場合は「現地法人」、限られた期間での調査には「駐在員事務所」、慎重に展開したい企業には「支店」と、それぞれ適した形態が存在します。
重要なのは、自社の目的とリスク許容度に応じて最適な形態を選択することです。設立後の税務・雇用・コンプライアンス対応も含め、現地専門家やJETRO、MIDAなどの支援機関の協力を得ながら、より安心・安全な展開を目指しましょう。
参考文献
SSM(Companies Commission of Malaysia:マレーシア会社委員会)


