Blogブログ

25.7.21 マレーシア市場の医療機器販売で失敗しないために知っておくべきこと

25.07.21

「マレーシアで医療機器を売りたい」──そんな企業が増えています。人口が増加し医療ニーズも拡大中のマレーシアは、医療機器ビジネスにとってもチャンスの多い市場です。また、単なる医療機器だけでなく、美容機器においてもものによっては医療機器と同等の扱いになるケースも多いため、予め情報収集することが推奨されます。
「思ったより制度が厳しい」「販売までに時間がかかる」ということが考えられるため、しっかりした事前準備が必要です。

まず知っておきたい「登録義務」
マレーシアでは、すべての医療機器が「MDA(医療機器庁)」への登録対象です。販売や広告を行うには、製品登録と販売ライセンスの両方が必要になります。

たとえ日本で一般医療機器として販売している製品でも、マレーシアではクラス分類(A~D)によって手続きが大きく異なり、提出資料や審査レベルも変わります。

 

コスト感と時間感
例えば:
クラスA(低リスク):申請料約RM500前後、登録まで最短1か月
クラスB~D(中~高リスク):RM1,000以上、登録完了まで6か月以上かかる場合有り

また、製造工場のISO13485認証やGMP認定が求められる場合もあり、準備期間に半年~1年見込む必要があります。

 

現地パートナーが鍵
海外からマレーシアに機器を輸出するには、マレーシア国内に拠点を持つ「認定代理人(Authorized Representative)」を通じて登録する必要があります。日本側だけで手続きを進めることはできないので、信頼できる現地パートナーの選定は極めて重要です。
また、販売後のトラブル対応や問い合わせ窓口としても、この代理人が機能するため、安易に外注せず慎重に契約すべきです。

 

日本企業が見落としがちな注意点
製品カタログやマニュアルのマレー語対応
製品パッケージにマレーシア国内の登録番号表示
オンライン販売でも同様の規制対象になる
非登録製品はECモールで削除対象

など、販売後も守るべきルールがしっかりと存在します。

まとめ
マレーシアの医療機器市場は、きちんとした制度と透明性のある仕組みで運用されており、長期的にはとても安定した市場です。
参入の第一歩としては、「自社製品がどのクラスに分類されるか」「誰を通じて登録するか」「どこまでの資料が必要か」の3点を明確にして、少し余裕をもったスケジュールを組むことで、規制が多い医療機器市場でも十分に参入が可能です。
医療機器だけでなく美容機器メーカーにとって国内以外の市場獲得をお考えの場合、ぜひご相談ください。

 

参考文献
MDA(Medical Device Authority)公式サイト
Medical Device Act 2012 (Act 737)
MDA Guidelines on Medical Device Grouping and Risk Classification

一覧へ戻る