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25.3.13 日本の中古品が海外で人気!直営店と越境EC、どちらで売るべきか?
25.03.13近年、日本の中古品は海外で非常に人気を集めています。高品質で状態の良い商品が多く、特にブランド品は、海外市場で高い評価を受けています。こうした需要に加えて、昨今の円安によりさらに追い風となっています。*1
日本国内の中小企業が海外向けに中古品を販売する方法として、大きく分けて「直営店を設ける方法」と「越境ECで販売する方法」の2通りが考えられます。今回は、それぞれの方法のメリット・デメリットを比較し、自社に合った方法を検討するヒントをお伝えします。直営店を設ける方法
メリット①利幅確保
大量仕入れが可能で、スケールの大きな売上を狙える直営店を設ける場合、倉庫に中古品をまとめて送り、現地で販売する形になります。大量仕入れを行うことで仕入れ単価を抑え、販売価格との差額でしっかりと利益を確保できます。メリット②返品リスクが低い
現地の消費者が直接商品を確認できるため、信頼を得やすい中古品は状態によって価値が大きく異なります。実店舗であれば、購入希望者が商品を直接確認できるため、返品リスクが低くなり、顧客満足度が向上します。メリット③差別化・信頼獲得
ブランド力の向上とリピーター獲得実店舗を持つことで企業の信頼性が高まり、現地市場でのブランド価値が向上します。リピーターの獲得にもつながり、安定した売上を確保しやすくなります。デメリット①高コスト
初期投資が大きい直営店を開設するには、店舗の賃貸契約、内装工事、什器の準備など、多額の初期投資が必要になります。デメリット②人材採用の手間
現地のスタッフ採用が必要な店舗運営には、現地でのスタッフ確保が不可欠です。言語の壁や労働市場の違いを考慮した人材採用が必要になります。デメリット③高リスク
赤字リスクがある一定の売上が確保できなければ、固定費(家賃・人件費)によって赤字が発生する可能性があります。そのため、事前の市場調査が非常に重要です。事例:セカンドストリートの戦略*2
日本の大手中古品販売店「セカンドストリート」は、海外では米国で35店舗、マレーシアで18店舗、タイで1店舗を運営し、売上を伸ばしています。実際に商品を確認して購入できる点が、消費者からの信頼を得ている大きな要因です。2030年3月までに海外に合計100店の店舗網を構築することを計画しています。越境ECで販売する方法
メリット①低コスト
初期投資がほとんどかからない越境ECでは、オンライン上で商品を販売するため、店舗の賃貸料や人件費といった固定費がかかりません。プラットフォームに登録するだけで、すぐに販売を開始できます。メリット②低リスク
市場テストが容易商品をオンラインに掲載し、どの国でどの商品が人気があるのかをテストしながら販売戦略を立てられます。初めから大きなリスクを背負う必要がないため、小規模な企業でも挑戦しやすいのが特徴です。メリット③全世界が対象
世界中の顧客にリーチできる直営店では特定の国・地域の顧客に限定されますが、越境ECであれば世界中の消費者に向けて販売が可能です。デメリット①梱包・輸送の非効率性
越境ECでは、商品を1つ1つ個装して発送する必要があります。輸送費や梱包費が発生するため、利益率が低下する可能性があります。デメリット②膨大な掲載作業・運用の発生
中古品という特性上、掲載はそれぞれの商品を一つ一つ掲載する作業が生じるため手間がかかります。
また、掲載するだけでは売れないことも多く、SEO対策や広告運用、販売ページの最適化などの努力が必要になります。デメリット③返品リスクが高い
返品・クレーム対応が発生する実際に商品を手に取ることができないため、「思っていたものと違った」といった理由で返品やクレームが発生するリスクがあります。事例:ブランディアの越境EC戦略*3
ブランディアでは、中期計画として2025年までに海外販売比率50%の達成を掲げています。東南アジア5か国で6億人以上の利用者を誇るマーケットプレイスである「Shopee」には2020年8月より出品を開始し、現在台湾とタイで販売を行っています。
オンライン販売を中心に展開することで、固定費を抑えながら、東南アジア市場での売上を伸ばしています。まとめ
どちらの方法を選ぶかは、企業の規模や戦略次第です。大量仕入れが可能で、現地市場に本格的に参入したい企業には直営店が適しています。一方で、低コストでリスクを抑えながら海外市場をテストしたい企業には越境ECが向いているでしょう。
弊社では中古品で目指す海外展開についても支援が可能です。
日本の中古品市場の可能性を活かし、適切な方法で海外市場に進出を実現させませんか。参考文献
*1 ブランド中古品の売買が活況 背景に円安、定価超えも | 日本経済新聞
*2 ゲオグループの海外出店戦略が着々と前進セカンドストリート、台湾に30店舗の出店達成! | 株式会社ゲオホールディングス
*3 ブランディア、東南アジア最大級のマーケットプレイスShopee・台湾エリアで中古ブランド品バッグ売上の新記録を達成! | PR TIMES