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25.1.31 マレーシアにおけるハラール認証制度

25.01.31

マレーシアは、イスラム教徒が人口の約60%を占める国であり、ハラール認証が市場での信頼獲得において重要な役割を果たしています。

しかし、前記事で解説したインドネシアとは異なり、マレーシアではハラール認証が義務化されている分野は限られており、ほとんどの場合、企業の自主的な取り組みとして行われています。

 

 

ハラール認証の任意性と例外的な義務化分野
マレーシアにおいて、ハラール認証は食品・飲料分野を含め基本的に任意となっています。ただし、輸入食肉に関してはJAKIM(マレーシア・イスラーム開発局)またはJAKIMが承認した海外の認証機関でのハラール認証が義務付けられています。

JAKIMとは、マレーシア政府が管轄するハラール認証機関です。ハラール認証に関する世界的な権威を持つ機関として認知されており、その厳格な基準は国内外で信頼されています。企業がマレーシア市場で認証を取得する場合、JAKIMとの事前調整が求められるため、早期の準備が重要です。

 

ハラール認証制度の特徴と中小企業への影響
マレーシア政府はハラール産業を経済成長の柱と位置付けており、税制優遇措置や融資プログラムを通じて企業を支援しています。例えば、ハラール食品製造業者に対する投資税額控除や、特定地域での法人税免除が代表的です。

一方で、中小企業にとっての課題も存在します。認証取得には製造工程や原材料の見直しが必要であり、場合によってはイスラム教徒の従業員を雇用する必要があります。これにより、運用コストが増加する可能性があります。

 

インドネシアとの比較
インドネシアが全分野にわたり義務化を進めているのに対し、マレーシアでは基本的に認証取得は義務付けられておらず、企業の自主性に委ねられています。
(インドネシアのハラールについてはこちらの記事をご覧ください)

この違いにより、インドネシア市場では規制への対応が必須である一方、マレーシア市場では競争力強化やブランド価値向上のために認証を取得する選択肢が存在します。
一方で、マレーシア市場は多民族国家のためイスラム教徒以外をターゲットにする戦略の取り方も可能です。マレーシア参入する際にはターゲットを具体的に設定することが重要となります。

 

 

まとめ
マレーシア市場で成功するためには、まずターゲットを明確に設定することが重要です。特に、人口の多い「イスラム教徒」をターゲットとする場合、信頼とブランド価値を高めるためにハラール認証の取得が鍵となります。

JAKIMが定める厳しい基準をクリアし、国際的に信頼されるハラール認証を取得することで、現地市場での競争力を高められるだけでなく、東南アジア全域への事業展開も可能になります。

市場選定は、海外展開を成功させるための重要なステップです。
当社では、企業の商品特性やリソースを考慮した事前プランニングを含む包括的な支援を提供しております。ぜひお気軽にご相談ください。

 

参考文献
・​​ASEAN主要国におけるハラール認証制度比較調査 JETRO
マレーシア基礎データ 外務省

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