Blogブログ
-
24.12.10 現地パートナーだけに頼らない!SaaS企業の成功する進出方法とは
24.12.10SaaS(Software as a Service)やクラウドシステムは、その利便性と柔軟性から、あらゆる業界で不可欠なツールとなっています。これらのサービスはインターネットを通じて提供されるため、物理的な国境の影響を受けにくく、海外市場に進出する際の障壁が比較的低いという大きな特徴を持ちます。日本国内にとどまるのはもったいないと感じる企業も少なくないでしょう。
一方で、SaaSやクラウドシステムの海外展開には独特の課題も伴います。その一つが現地でのサポート体制の構築です。これらの商材は導入後の継続的なサポートが必要であり、現地のパートナーとの協力が欠かせません。ただし、全てをパートナーに任せるのはリスクが大きいです。本記事では、現地パートナーと自社採用の人材を併用し、主導権を保ちながら海外進出を成功させる戦略について解説します。現地パートナーに依存するリスク
現地パートナーは、自社のサービスを市場に広め、顧客に導入してもらう上で大きな役割を果たします。しかし、パートナーに全てを委ねてしまうと以下のようなリスクが発生します。①自社サービスの優先順位が低くなる可能性
パートナーは通常、複数の商材を扱います。そのため、自社のサービスが彼らにとって「売りやすい」または「利益率が高い」と判断されない限り、積極的に推奨されない可能性があります。
②市場ニーズの把握が難しくなる
パートナーを通じて得られる市場情報は限定的です。現地の競合状況や顧客のフィードバックを直接聞く機会が減少し、進出戦略の微調整が難しくなります。
③主導権の喪失
パートナーが持つネットワークや販路に依存するあまり、自社の進出スピードや方向性がパートナー次第になる可能性があります。リスクヘッジのために自社で海外営業チームを立ち上げる
「自社で営業チームを持つ」というと大掛かりなイメージを持つかもしれませんが、実際には1名からでも十分スタート可能です。立ち上げの3ステップをご紹介します。①現地人材を自社で1名採用
現地の雇用市場に詳しい専門家や人材紹介機関を活用すれば、適切な人材を効率的に見つけることができます。たとえば、東南アジアのマレーシアでは平均賃金が約8万円と日本に比べて低く、コストを抑えた採用が可能です。
「日本企業の〇〇です」と名乗る営業担当者は、現地市場での信用を得やすく、独占的な営業活動を可能にします。
②初期段階は出張でフォロー
重要な商談や大口案件の場合は、日本から担当者が直接現地を訪問し、最終的な交渉や信頼構築をサポートすることで、スムーズな進出が実現します。
初期段階は現地での実践的なテストマーケティングであると捉え、軌道に乗る兆しが見えない場合にはこの段階でストップすることも可能です。
③売上が軌道に乗ったタイミングで現地法人
進出のために現地法人を初期段階で設立する必要はありません。
しかし、進出時にパートナーだけを想定していて、軌道に乗った後から法人設立をしようとしても、パートナーとのトラブルになりやすいことを理解する必要があります。現地パートナーと自社人材の併用戦略
現地パートナーと自社採用の人材を併用することで、双方の強みを活かした戦略を構築できます。①初期段階ではテストマーケティング〜進出を自社主導で叶えていく
進出初期は、現地パートナーに頼りすぎず、自社チームが市場をリサーチし、顧客ニーズを正確に把握することが重要です。
現地の営業担当者を直接採用することで、少なくともその方から確実に現地の情報を得ることができます。また、地域特有の文化や商習慣を把握している現地の営業担当者は、日本にいる社員よりも現地ターゲット顧客のニーズや課題を正確に捉えやすく、それに応じた提案や改善を迅速に行うことができます。
これにより、自社のサービスが現地市場でどのように受け入れられるかを把握できます。②パートナーとの役割分担を明確にする
自社で現地営業チームを立ち上げることで、SaaSの導入後サポートを委託するパートナーとの役割分担が明確になり、効果的な連携が可能になります。パートナーが主に導入支援やアフターサポートを担当する一方で、自社チームが営業活動を担うという形が理想的です。③リスク分散を意識した運用
現地採用スタッフやパートナーに全てを任せるのではなく、進捗状況や成果を定期的にチェックし、必要に応じて戦略を調整します。また、複数のパートナーを持つことで、特定の企業に依存するリスクを軽減できます。まとめ
SaaSやクラウドシステムは、インターネットを通じて提供されるため、国境の制約を受けにくい製品です。世界中で急成長を遂げるIT市場に参入することは、ビジネス拡大の大きなチャンスと言えます。ただし、その成功は戦略次第です。
現地パートナーを頼るのはシステムサポートまでとし、自社で営業チームを持つことで、主導権を持ち能動的に海外市場を獲得することが可能です。日本国内で培った強みを活かし、より広い市場で価値を提供するための一歩を、ぜひ自社主導で踏み出してみてください。