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24.4.1 スペインでの日本食人気の背景について
24.04.01世界的に日本食の人気が高まっていますが、食文化の盛んなヨーロッパの国、スペインでもその進化は止まりません。スペイン消費財企業協会(AECOC)が行った1,000人以上を対象に行った調査によると、スペイン人の45%が月に1回以上、寿司を食べていることがわかりました。
また、ニールセンが収集したスペイン惣菜メーカー協会(Asefapre)のデータによると、2020年には2,715トンの寿司が消費され、2018年末までの3年間でスペインの家庭における寿司の存在感が48%増加したとのことです。
スペイン最大のスーパーマーケットであるメルカドーナでは、握り飯や巻き飯の盛り合わせ、ミートボールやわかめサラダなどの手の込んだ料理のほか、フィッシュフリー、グルテンフリー、ビーガン商品など、毎日19種類の商品を提供しています。
なぜスペインで日本食が受け入れられ続けているのか?スペインで日本食が人気の理由
前述のAECOCの調査によると、スペイン人の63%が平均して週に2.4回、水産物を摂取しています。スペインは世界第2位の魚介類消費国であることに加え、パンデミックの影響で、生鮮食品を食べようとする人が増えました。冷凍食品よりも栄養価が高いというわけではありませんが、パンデミックがもたらした新しい買い物の習慣を物語っています。
Asefapre社のCEOであるAlvaro Aguilar氏は、「世界的な流行により、家庭で過ごす時間が増え、これまでレストランで楽しんでいた体験が家庭でも再現されるようになってきました。寿司は、料理に異国情緒を加えてくれるだけでなく、便利で簡単なメニューであり、何よりも健康的で栄養価の高い料理であるため、この新しい状況にぴったりです」と語ります。
また、日本料理は野菜を多く使い、脂肪分が少ないため、とてもヘルシーだと認識されています。日本の社会が地球上で最も長寿であり、心血管疾患が最も少ないのは偶然ではありません。
また、日本食を食べることがクールだと思われていることも忘れてはいけません。実際、ファッショニスタのSNSの代表格であるInstagramには、シックなレストランで美味しい和食を食べている人の画像がたくさんあります。スペイン日本食の歴史
スペインにおける日本食の歴史は古く、スペイン初の日本食レストラン「富士」がオープンした半世紀以上前にさかのぼります。富士山の主な目的は、マドリッドやバルセロナではなく、ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア港に停泊している多くの日本人漁師たちに日本食を提供することでした。そして2000年、リカルド・サンズ氏が経営する日本食レストラン「歌舞伎」(ミシュラン1つ星)がマドリードに登場したことで、現在に至るまでスペインにおける日本食レストランのブームが続いています(トリップアドバイザーで検索すると、マドリード市内だけで約440件、全国では2000件以上の検索結果がでてきます)
新しいトレンドも
日本食レストランの最新のトレンドは、居酒屋スタイルとおまかせスタイルの2つです。スペインと日本の文化的共通点から、日本のタパスバーに相当する「居酒屋」が生まれました。そこでは、「焼き(串焼き)」が主流です。2020年以降、欧米でおまかせスタイルのレストランが流行したのは、板前さんが大衆の期待を豊かなごちそうに変えていく光景が見られたからでもあります。寿司屋だけでなく、鉄板焼き屋でも同じようなコンセプトの店が増えてきています。
以上の要素を冷静に見てみると、スペインにおける日本食ブームの進化が止まることはないでしょう。