Blogブログ

23.10.24 期待の高い海外展開とその落とし穴

23.10.24


これまで多くの中小企業の向けに、様々なコンサルティングを実施してきたなかで、一つ驚いたことがあります。それは、地方の中小企業といえども、多くの経営者が海外展開の夢や目標を持っていらっしゃることです。これは弊社の経験ですが、半分程度の経営者が将来、何かしら海外ビジネスに携わりたい、海外展開したいと考えているようです。
そして、海外展開の話をすると経営者は明るい表情になり、事業に前向きな気持ちになっていると実感できます。それは、経営理論や財務会計の話をしているときと、まるで正反対です。

ビジネスを前向きに考えることは成功する社長の必須条件
海外展開に限らず、ビジネスを前向きに考え、そして実行していくことは、経営者にとって大事なことです。そして、私は常々、中小企業の経営者に、前向きな経営を実践していただきたいと考えています。
おそらく海外展開は、最も分かりやすく事業を前向きにとらえることができる戦略なのかもしれません。自社の製品やサービスが、海外の多くのお客さんに認められ、購入・使用されることは嬉しいことです。既存の商圏から大きく飛躍し、全国展開や海外展開を実現していくことは、市場規模縮小の問題に直面しつつある国内の中小企業にとっては重要かつ、「前向きな戦略」であると言えます。

 

海外展開には多くの落とし穴が存在
海外展開は期待に満ちた巨大な市場であることは言うまでもありません。また、近年では、クールジャパンと銘打って、海外で日本製商品に人気が高まっている番組や雑誌が多く見られます。
しかしながら一方で、海外展開における多くの落とし穴が存在しています。海外展開の失敗事例は多いものの、これを記事などでは取り上げることはしません。企業にとって失敗事例を取り上げてもらうことは恥ずかしいだけで、メリットはないからです。
しかし、その失敗事例にこそ海外展開のノウハウが埋もれているのです。
中小企業白書(2014年)によれば、海外から撤退した企業(海外への直接投資の場合)の撤退理由は、①環境の変化等による販売不振35.1%、②海外展開を主導する人材の力不足22.2%、③現地の法制度・商習慣の問題19.3%という結果でした。海外展開で成功している企業の裏で、苦戦し撤退している企業が多く存在しています。

それでも夢のある海外展開
海外展開はリスクがあって当然です。しかし実は、リスクや失敗事例などは中小企業白書にあるようにパターン化されているのです。海外展開する中小企業は、いくつかの同じパターンで失敗し、撤退を余儀なくされています。よって、海外展開はこれら失敗パターンに陥らないように進めていくことが重要です。
海外には国内と比較にならない巨大なマーケットが広がっており、今もなおアジアを中心に急拡大しています。そして、インターネットなどの普及で、海外展開の敷居が低くなっているのも事実です。今の時代に合った海外展開の手順や手法があります。
皆さんは、海外展開をどのようにお考えでしょうか。

一覧へ戻る